こころのケアの対象者は聞かれることがあるが、私としてはすべての人が対象だと考えている。
もともとは終末期の人に対しての支援がメインでしたが、現在は、ペインを抱えた人すべてに当てはまるとケアという認識である。
私の場合、認知症の方とかかわる機会が多く、そのような方にもケアは必要である。
施設で生活している認知症の方は、夕方になると「家に帰りたい」「ここから出して」などと訴えが多くあります。夕暮れ症候群という言葉があるが、認知症の方は16時、17時ぐらいになるとソワソワ落ち着かなくなってきます。
認知症の方に理由を伺うと、「こんなところで遊んどったらいかん、早くご飯の支度をしなあかん」「子どもを迎えにいかなあかん」と元気な時代にタイムスリップしている。
それを頭ごなしに否定せず、相手の世界に入り、寄り添っていくことが大事である。
日中にケアに入ると、夕方も落ち着いて過ごせることが多いと感じる。
今まで頑張って生きてこられ方が、認知症になったからと適切なケアが受けれないというのは悲しいものである。認知症になっても安心し適切なケアを受け、施設、自宅などで生活できることを望む。
そして、最後は笑顔で旅立っていかれるように支援させて頂きたい。